事業内容
- DX推進/IoT開発事業
- AI/ROBOTICS開発事業

現場の効率化や安全管理を進める中で、人やモノの位置情報を正確に把握できず困っていませんか?
特に工場や物流倉庫では、設備や資材の探索時間、フォークリフト管理、作業者の安全確保など、位置情報を活用した改善が求められています。屋内測位を活用すれば、これまで把握が難しかった屋内の位置情報を可視化し、業務改善やスマートファクトリー化につなげることができます。
本記事では、屋内測位の基礎知識から技術の種類、メリット、実際の活用シーンまで詳しく解説します。

屋内測位とは、建物内や地下施設などGPSの電波が届きにくい環境で、人やモノの位置情報を把握する技術です。工場や物流倉庫、病院、商業施設などさまざまな場所で活用されています。
近年は、製造業や物流業を中心にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおり、作業者や設備、資材の位置情報をリアルタイムで把握するニーズが高まっています。屋内測位を導入することで、モノ探しの時間削減や作業動線の分析、安全管理の強化などが可能になります。
GPSは、人工衛星から送信される電波を受信して位置を特定する仕組みです。屋外では高い精度で位置情報を取得できますが、建物の内部や地下では衛星からの電波が遮られるため、正確な測位が難しくなります。
一方、屋内測位は建物内での利用を前提とした技術です。Wi-FiアクセスポイントやBLEビーコン、UWBアンカーなどの機器を利用して位置情報を取得するため、GPSが利用できない環境でも測位が可能です。

屋内測位にはさまざまな技術があり、それぞれ測位精度や導入コスト、設置のしやすさなどが異なります。導入する際は、自社の利用目的や運用環境に適した方式を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な屋内測位技術の特徴について解説します。
Wi-Fi測位は、Wi-Fiアクセスポイントから発信される電波を利用して位置を特定する方式です。既存のWi-Fi環境を活用できるため、新たな設備投資を抑えながら導入できる点が特徴です。
一方で、周囲の障害物や電波環境の影響を受けやすく、測位精度は数メートル程度となる場合があります。そのため、高精度な位置管理よりも、作業者や設備のおおよその位置を把握したい場合に適しています。
BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコン測位は、ビーコンと呼ばれる小型発信機から発信されるBluetooth信号を利用して位置を特定する方式です。
比較的低コストで導入できることから、屋内測位の中でも広く利用されています。スマートフォンとの連携もしやすく、工場や物流倉庫、商業施設などさまざまな現場で活用されています。
ただし、設置環境によって測位精度にばらつきが生じるため、高精度な位置管理が必要な場合は他の方式との比較検討が必要です。
RFID測位は、RFIDタグとリーダーを利用して人やモノの位置を把握する方式です。物品管理や在庫管理との相性が良く、物流倉庫や製造現場で広く利用されています。
対象物にRFIDタグを取り付けることで、通過した場所や現在位置を把握できます。パレットや台車、資材などの管理に適している一方で、リアルタイムかつ高精度な位置測位には向かない場合があります。
UWB(Ultra Wide Band)は、非常に広い周波数帯域を利用して位置を測定する方式です。屋内測位の中でも高精度な技術として注目されており、数十センチメートル単位での測位が可能です。
工場内のフォークリフト管理や自動搬送ロボット(AGV・AMR)の位置管理、安全管理システムなど、高い精度が求められる用途で活用されています。
ただし、専用機器の設置が必要となるため、他の方式と比較すると導入コストは高くなる傾向があります。
SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、センサーで周囲の環境を認識しながら、自己位置の推定と地図作成を同時に行う技術です。主にAGVやAMRなどの自律走行ロボットで活用されており、工場や物流倉庫内での搬送自動化と相性が良い方式です。
SLAMを活用すると、ロボットが周囲の壁や棚、設備などを認識しながら移動できるため、決められたルートだけでなく、環境に応じた柔軟な走行が可能になります。一方で、周辺環境の変化やセンサー性能によって精度が左右されるため、導入時には現場レイアウトや運用条件に合わせた調整が必要です。
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、レーザー光を照射し、対象物に反射して戻ってくるまでの時間をもとに距離や空間形状を把握する技術です。周囲の物体との距離を高精度に測定できるため、自律走行ロボットやAGV・AMR、倉庫内の3D空間認識などに活用されています。
LiDARを活用することで、ロボットは周囲の障害物や棚、壁などを検知しながら移動できます。そのため、工場や物流倉庫における搬送ルートの最適化、障害物回避、安全な走行支援に役立ちます。ただし、専用センサーが必要になるため、導入コストは比較的高くなる傾向があります。

地磁気測位は、建物内に存在する地磁気の変化を利用して位置を推定する方式です。スマートフォンに搭載されているセンサーを活用できるため、追加の設備を必要としない場合があります。
特に商業施設や駅構内などでのナビゲーション用途で活用されています。ただし、周辺環境の変化によって測位精度が影響を受ける場合があるため、利用環境に応じた調整が必要です。
PDR(Pedestrian Dead Reckoning:歩行者自律航法)は、スマートフォンやウェアラブル端末に搭載された加速度センサーやジャイロセンサーを利用して移動距離や方向を計算し、位置を推定する方式です。
GPSやWi-Fiの電波が届きにくい環境でも利用できることが特徴で、屋内ナビゲーションや人流分析などに活用されています。
ただし、長時間利用すると誤差が蓄積しやすいため、Wi-Fiや地磁気測位など他の技術と組み合わせて利用されるケースが一般的です。
IMES(Indoor Messaging System)は、GPSと同じ周波数帯を利用して屋内で位置情報を取得する測位方式です。GPSの仕組みを応用した技術であることから、「屋内GPS」と呼ばれることもあります。
屋内でも位置情報を取得できるというメリットがありますが、対応端末が限られることや、近年ではUWBやBLEビーコンなどの技術が普及していることから、利用シーンは限定的になっています。現在では、特定の施設や研究用途などで活用されるケースが中心です。
超音波測位は、人の耳には聞こえない超音波を利用して位置を特定する方式です。電波の影響を受けにくく、高精度な測位が可能であることが特徴です。
医療施設や工場など、正確な位置情報が求められる環境で利用されています。また、UWBと同様に高精度な測位が可能なため、設備や作業者の位置管理にも活用されています。
一方で、障害物や設置環境の影響を受ける場合があり、導入時には利用環境に適した設計が求められます。

屋内測位にはさまざまな方式があり、それぞれ測位精度や導入コスト、設置のしやすさが異なります。そのため、自社の利用目的や予算、求める精度に応じて適切な技術を選定することが重要です。まずは代表的な屋内測位技術を比較表で確認してみましょう。
| 測位方式 | 精度 | 導入コスト | 設置工数 | 適用環境 |
| Wi-Fi測位 | ★★☆ | ★☆☆ | ★☆☆ | オフィス、工場、商業施設 |
| BLEビーコン測位 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | 工場、物流倉庫、商業施設 |
| RFID測位 | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | 倉庫、在庫管理、資産管理 |
| UWB測位 | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | 工場、物流倉庫、安全管理 |
| SLAM | ★★★ | ★★★ | ★☆☆ | 自律走行ロボット、AGV・AMR、工場 |
| LiDAR | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | 自律走行ロボット、倉庫、3D空間認識 |
| 地磁気測位 | ★★☆ | ★☆☆ | ★☆☆ | 商業施設、駅、空港 |
| PDR(歩行者自律航法) | ★★☆ | ★☆☆ | ★☆☆ | 人流分析、ナビゲーション |
| IMES(屋内GPS) | ★★☆ | ★★☆ | ★★☆ | 大規模施設、地下施設 |
| 超音波測位 | ★★★ | ★★★ | ★★☆ | 工場、医療施設、高精度管理 |
設置のしやすさを重視する場合は、Wi-Fi測位や地磁気測位が優れています。
Wi-Fi測位は既存のネットワーク環境を利用できるため、大規模な工事を必要としない場合があります。地磁気測位やPDRも専用設備の設置が不要なケースが多く、比較的短期間で運用を開始できます。
BLEビーコン測位はビーコンの設置が必要ですが、小型で設置場所の自由度が高いため、比較的導入しやすい方式です。
一方で、UWBや超音波測位は高精度な測位を実現するために複数のアンカーやセンサーを設置する必要があり、導入時の設計や調整に一定の工数がかかります。
高精度な位置管理を目的とする場合、代表的な技術の一つがUWB測位です。UWBは電波の到達時間などを利用して位置を測定するため、誤差を抑えた高精度な測位が可能です。そのため、工場や物流倉庫では、フォークリフトの位置管理、作業者の安全管理、自動搬送ロボットの制御などに活用されています。
また、超音波測位も高精度な測位が可能な方式ですが、音波の反射や遮蔽物の影響を受ける場合があるため、利用環境に合わせた設計が必要です。
ただし、測位精度が高い技術ほど、専用機器の設置やシステム構築が必要となり、導入コストや運用負荷が大きくなる傾向があります。そのため、必ずしも高精度な方式が最適とは限らず、必要な精度や利用目的、導入環境に合わせて選択することが重要です。

| 目的 | 向いている方式 | 理由 |
| 作業者のおおまかな所在確認 | BLE、Wi-Fi | 比較的低コストで導入しやすい |
| 工具・部品・在庫の探索 | RFID、BLE、UWB | 個体識別やエリア把握に向く |
| フォークリフト・台車の動線把握 | UWB、SLAM、BLE | リアルタイム性や動線分析に活用しやすい |
| 高精度な位置把握 | UWB、SLAM、LiDAR | 数十cmレベルの精度を狙いやすい |
| スマホを使った屋内ナビ | Wi-Fi、BLE、地磁気、PDR | スマホ搭載センサーと相性が良い |
| 入退室・通過管理 | RFID、ビーコン | 「どこを通ったか」の記録に向く |
ASTINAでは、各種屋内測位技術・センサを活用し、位置把握や作業状況の把握、現場の効率化支援を行っております。最適な測位技術の選定には、測位したい対象や設置環境などさまざまな要因が絡んできます。迷われた際はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせの際に以下をご共有いただくとスムーズにご提案ができます。

屋内測位は、人やモノの位置情報をリアルタイムで把握できる技術として、工場や物流倉庫を中心に活用が広がっています。位置情報を活用することで、業務効率の向上や安全管理の強化、現場の見える化などを実現できます。
工場では、作業者や設備、搬送車両の位置情報を活用することで、生産性向上や安全対策に役立てられています。
物流倉庫では、多数の商品や資産を効率的に管理するために屋内測位が活用されています。

屋内測位は、人やモノの位置情報をリアルタイムで把握できる技術です。工場や物流倉庫などの現場に導入することで、業務効率化や安全性向上などさまざまな効果が期待できます。
ここでは、屋内測位を導入する主なメリットについて解説します。
工場や物流倉庫では、作業者が設備や資材の場所を確認したり、搬送車両の状況を把握したりするために多くの時間を費やしています。
屋内測位を導入すると、人やモノの位置情報をリアルタイムで確認できるようになるため、状況確認や情報共有にかかる手間を削減できます。また、作業者の動線分析を行うことで、無駄な移動や非効率な作業工程を発見しやすくなり、業務改善にも役立ちます。その結果、現場全体の作業工数を削減し、より効率的な運用を実現できます。
製造現場や物流倉庫では、工具や治具、台車、パレットなどの所在が分からず、探すために時間を費やしてしまうケースがあります。
屋内測位を活用すれば、対象物の現在位置をシステム上で確認できるため、探索作業の負担を大幅に軽減できます。特に、多数の資産を管理する現場では、モノ探しにかかる時間の削減が業務効率向上に大きく役立ちます。
また、資産の紛失防止や管理精度の向上にもつながるため、管理業務の負担軽減にも効果的です。
屋内測位によって取得した位置情報を活用することで、現場の稼働状況を可視化できます。
例えば、作業者やフォークリフトの位置情報を収集することで、どのエリアに人や車両が集中しているのかを把握できます。また、設備の利用状況や作業動線を分析することで、ボトルネックとなっている工程やレイアウト上の課題を発見しやすくなります。
これまで経験や勘に頼っていた現場改善をデータに基づいて行えるようになるため、継続的な業務改善につながります。
工場や物流倉庫では、フォークリフトや搬送設備との接触事故、危険エリアへの立ち入りなど、安全面の課題が存在します。
屋内測位を活用すると、作業者や車両の位置情報をリアルタイムで把握できるため、危険な接近や立ち入りを検知できます。システムによっては、一定距離以内に接近した際に警告を発することも可能です。
また、緊急時には作業者の位置を迅速に把握できるため、避難誘導や安否確認にも活用できます。安全管理の強化は、労働災害の防止だけでなく、安心して働ける職場環境づくりにもつながります。
近年、製造業ではIoTやAIなどのデジタル技術を活用したスマートファクトリー化が進んでおり、屋内測位はその基盤となる技術の一つです。
屋内測位によって取得した作業者や設備、搬送車両の位置情報をシステムと連携することで、現場の状況をリアルタイムで把握できます。これにより、作業動線の改善や設備稼働状況の分析など、データに基づいた現場改善が可能になります。
また、AGV・AMRなどの自動搬送設備との連携にも活用されており、工場全体の効率化や最適化を支援します。
このように屋内測位は、位置情報を活用した現場改善だけでなく、スマートファクトリー化を実現するための重要な技術として注目されています。

ここでは屋内測位を導入する際によくある質問を紹介します。

最大の違いは、電波の送信元と利用する環境です。 GPSは人工衛星から送信される電波を利用して位置を特定する技術で、屋外での利用に適しています。一方、屋内測位はWi-FiやBLEビーコン、UWB、RFIDなどの技術を利用して建物内の位置情報を取得する技術です。
GPSは建物の内部や地下では電波が届きにくいため精度が低下しますが、屋内測位は屋内の近くの機器から電波が届くため、安定して位置を把握できるという違いがあります。
工場や物流倉庫では、BLEビーコン、RFID、UWBがよく利用されています。
BLEビーコンは比較的低コストで導入しやすく、作業者や設備のおおよその位置把握に適しています。RFIDはパレットや台車、資材などの管理によく利用されており、在庫管理との相性に優れています。
UWBは数十センチメートル単位の高精度な測位が可能なため、フォークリフトやAGV・AMRの位置管理、安全管理など高い精度が求められる現場で採用されています。
どの方式が適しているかは、求める精度や導入コスト、管理対象によって異なります。
スマートフォンだけでも屋内測位は可能です。
例えば、Wi-Fi測位や地磁気測位、PDR(歩行者自律航法)は、スマートフォンに搭載されているWi-Fi機能や各種センサーを利用して位置を推定できます。そのため、専用の測位端末を用意しなくても運用できる場合があります。
ただし、高精度な位置情報が必要な場合は、BLEビーコンやUWBなどの専用設備を併用するケースが一般的です。用途によってはスマートフォンのみで十分な場合もありますが、工場や物流倉庫で正確な位置管理を行う場合は、専用システムの導入を検討するとよいでしょう。
屋内測位は、GPSが利用しにくい建物内や地下などの環境で、人やモノの位置情報を取得できる技術です。
Wi-Fi、BLEビーコン、UWB、RFIDなどさまざまな方式があり、求める精度や利用環境に応じて適切な技術を選定することが重要です。 特に工場や物流倉庫では、屋内測位を活用することで、作業状況の把握やモノの位置管理、現場の効率化につなげることができます。
また、IoT技術と組み合わせることで、取得した位置情報を活用した現場の見える化やスマートファクトリー化も実現できます。
ASTINAでは、IoT・AI・ロボティクス技術を活用し、現場の課題に合わせたハードウェア・ソフトウェア一体型のソリューション開発を行っています。屋内測位をはじめとしたIoT技術の活用による現場のデジタル化や業務効率化に向けて、システムの企画から開発、導入支援まで一貫して対応可能です。
屋内測位やIoTを活用した現場改善をご検討の際は、課題や目的に合わせた最適なソリューションをご提案いたしますので、ぜひASTINAへご相談ください。