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RTLSとは?仕組み・位置測位技術・IoTとの関係をわかりやすく解説

この記事はこんな人におすすめ
  • RTLSとは何か、仕組みやGPSとの違いを知りたい
  • 人やモノの位置管理を効率化したい
  • RTLSの活用方法や導入のポイントを知りたい

RTLSとはどのようなシステムなのか、GPSや屋内測位との違いが分からず悩んでいませんか。また、UWBやBLEなど複数の位置測位技術があり、どれを選べばよいのか迷う方も多いでしょう。

RTLSを正しく理解することで、人やモノの位置情報を活用した業務改善やIoTとの連携イメージが明確になります。

本記事では、RTLSとは何かをはじめ、仕組みや位置測位技術の種類、IoTとの関係、導入時のポイントや活用事例までわかりやすく解説します。

目次

RTLSとは

RTLS(Real-Time Location System)は、人やモノの位置情報をリアルタイムで取得・管理するシステムです。工場や物流倉庫、建設現場など幅広い業界で活用されており、業務効率の向上や安全管理、現場改善に役立っています。ここでは、RTLSの概要や仕組み、GPSとの違いについて解説します。

RTLSの概要

RTLS(Real-Time Location System)とは、「リアルタイム位置情報システム」のことで、人やモノの位置をリアルタイムで把握・管理するシステムです。

特に工場や物流倉庫などの屋内では、GPSでは正確な位置情報を取得しにくいため、屋内測位技術を活用して位置情報を取得します。RTLSは、こうした屋内測位技術を利用して位置情報を可視化・管理するシステムとして、多くの現場で導入されています。

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RTLSの仕組みと必要なもの

RTLSを導入するには、主に「タグ」「アンカー(受信機)」「管理システム」の3つが必要です。

  • タグ:位置を把握したい人やモノに取り付ける機器
  • アンカー(受信機):タグから送信される信号を受信する機器
  • 管理システム:位置情報を表示・管理・分析するシステム

位置を把握したい人やモノにタグを取り付けると、タグから発信される信号をアンカー(受信機)が受信します。受信した信号をもとに位置情報を算出し、そのデータを管理システムへ送信することで、人やモノの現在位置をリアルタイムで確認できます。

また、管理システムでは現在位置だけでなく、移動履歴や滞在時間なども記録・分析できます。そのため、モノ探し時間の削減や作業進捗の把握、安全管理など、さまざまな業務改善に活用されています。

なお、タグとアンカー(受信機)間で位置情報を取得する方法には、UWBやBLE、Wi-Fi、RFIDなどの位置測位技術があり、求める測位精度や導入環境に応じて適した技術が選択されます。

RTLSとGPSの違い

RTLSとGPSはどちらも位置情報を取得する技術ですが、利用する環境や目的が異なります。

GPSは人工衛星からの電波を利用して位置を測位するため、屋外での利用に適しています。一方、建物内や地下では衛星からの電波が届きにくく、位置情報を正確に取得できない場合があります。

これに対し、RTLSはUWBやBLE、Wi-Fiなどの位置測位技術を利用することで、工場や倉庫、病院などの屋内でも人やモノの位置をリアルタイムで把握できます。また、用途によっては数十cm程度の高い測位精度を実現できることも特徴です。

そのため、車両やスマートフォンのナビゲーションにはGPS、屋内での設備管理や作業者管理にはRTLSというように、利用環境や目的に応じて使い分けられています。

比較項目RTLSGPS
主な利用場所屋内・屋外主に屋外
測位方法UWB、BLE、Wi-Fiなど人工衛星(GNSS)
測位精度数cm~数m数m~十数m程度
主な用途工場・物流・病院・倉庫カーナビ・スマートフォン・車両管理

RTLSで利用される位置測位技術

RTLSでは、人やモノの位置情報を取得するためにさまざまな位置測位技術が利用されています。技術によって測位精度や通信距離、導入コストなどが異なるため、利用する環境や目的に応じて適切な技術を選ぶことが重要です。ここでは、RTLSでよく利用される4つの位置測位技術を紹介します。

UWB

UWB(Ultra Wide Band)は、広帯域の無線通信を利用して位置を測位する技術です。数十cm程度の高い測位精度を実現できることが大きな特徴で、工場や物流倉庫など、高精度な位置情報が求められる現場で多く利用されています。

一方で、専用のタグやアンカー(受信機)が必要になるため、BLEやWi-Fiと比べると導入コストは高くなる傾向があります。

BLE

BLE(Bluetooth Low Energy)は、省電力で通信できるBluetooth技術を利用した位置測位方式です。タグの電池寿命が長く、比較的低コストで導入できるため、設備や備品、作業者の位置管理など幅広い用途で活用されています。

測位精度はUWBより劣りますが、高精度な位置情報を必要としない用途であれば十分に活用できます。

Wi-Fi測位

Wi-Fi測位は、Wi-Fiアクセスポイントとの通信を利用して位置を測位する技術です。既存のWi-Fi環境を活用できる場合が多く、新たな設備投資を抑えながら導入しやすい点が特徴です。

一方で、測位精度はUWBやBLEに比べて低く、位置の把握は数m程度の誤差が生じることがあります。そのため、オフィスや病院など、おおよその位置を把握したい場面に適しています。

RFID

RFID(Radio Frequency Identification)は、電波を利用してタグの情報を読み取る技術です。入退室管理や在庫管理、資産管理などで広く利用されています。

RTLSでも活用されることがありますが、RFIDは特定の場所に設置したリーダーを通過した際に位置を把握する方式が一般的です。そのため、人やモノの位置をリアルタイムで連続的に測位する用途よりも、「いつ・どこを通過したか」を記録する用途に適しています。

それぞれの位置測位技術は特徴や得意とする用途が異なります。求める測位精度や導入コスト、利用環境などを考慮し、自社の課題に適した技術を選定することが重要です。

その他の測位技術

RTLSでは、UWBやBLE、Wi-Fi、RFIDのほかにも、用途や利用環境に応じてさまざまな位置測位技術が利用されています。

  • 地磁気測位
    建物内の地磁気の変化を利用して位置を推定する技術で、屋内ナビゲーションなどに利用されています。
  • PDR(歩行者自律航法)
    加速度センサーやジャイロセンサーを用いて移動距離や方向を推定する技術で、他の測位技術と組み合わせて利用されることが一般的です。
  • 超音波測位
    超音波を利用して位置を測位する技術で、高い測位精度が求められる屋内環境で活用されています。
  • 赤外線測位:赤外線通信を利用して位置を検知する技術で、限られた屋内空間での位置管理などに利用されています。

【比較表】測位技術ごとの精度・コスト・向いている用途

位置測位技術測位精度導入コスト向いている用途
UWB◎(数十cm程度)高い高精度な位置管理、製造業、物流倉庫、AGV・AMR、作業者や設備の位置管理
BLE○(1~5m程度)比較的低い作業者管理、備品・設備管理、入退室管理、工場・病院・オフィス
Wi-Fi測位△(3~10m程度)比較的低い(既存Wi-Fiを活用可能)おおよその位置把握、オフィス、病院、商業施設
RFID△(リーダー通過時に検知)低い在庫管理、資産管理、入出庫管理、物流・倉庫
地磁気測位○(1~3m程度)低い屋内ナビゲーション、商業施設、駅、空港
PDR(歩行者自律航法)○(利用環境による)低い屋内ナビゲーション、歩行者の移動推定、他技術との併用
超音波測位◎(数cm~数十cm程度)中程度工場、医療施設、限られた屋内空間での高精度測位
赤外線測位○(数十cm~1m程度)中程度室内での位置検知、入退室管理、特定エリアの位置管理

どの測位技術が適しているかは、必要な精度、対象エリアの広さ、既存設備、タグを取り付ける対象物によって異なります。ASTINAでは、現場環境や運用目的に合わせたRTLS・IoTシステムの設計から開発、導入まで対応しています。自社に適した測位方式が分からない場合も、お気軽にご相談ください。

自社に合うRTLSの方式を相談する

RTLSでお悩みの方へ

どの測位技術が適しているかは、必要な精度、対象エリアの広さ、既存設備、タグを取り付ける対象物によって異なります。ASTINAでは、現場環境や運用目的に合わせたRTLS・IoTシステムの設計から開発、導入まで対応しています。自社に適した測位方式が分からない場合も、お気軽にご相談ください。

RTLSの特徴とIoTとの関係

RTLSの大きな特徴は、人やモノの位置情報をリアルタイムで取得・可視化できることです。位置情報を把握することで、モノ探し時間の削減や作業進捗の見える化、設備や車両の稼働管理、危険エリアへの立ち入り検知など、さまざまな業務に活用できます。

また、RTLSはIoT(Internet of Things)を構成する技術の一つとして、位置情報を取得・活用する役割を担っています。IoTでは、設備やセンサーから収集したさまざまなデータをインターネット経由で管理・分析しますが、RTLSを組み合わせることで、「人やモノがどこにあるか」という位置情報もあわせて取得できます。

例えば、工場では設備の稼働データやセンサー情報とRTLSの位置情報を連携させることで、人・モノ・設備の状況をリアルタイムで把握できます。また、物流・倉庫では在庫情報や搬送設備と連携することで、入出庫管理や搬送ルートの最適化にも活用されています。このように、RTLSはIoTと連携することで、位置情報をより効果的に活用し、現場全体の見える化を実現する技術として利用されています。

RTLSでできること

追跡

RTLSは、人やモノの位置情報をリアルタイムで取得・管理することで、現場のさまざまな業務改善に活用できます。位置情報を可視化することで、作業状況や設備の稼働状況を把握しやすくなり、生産性の向上や安全管理の強化につながります。ここでは、RTLSの主な活用例を紹介します。

活用内容概要主な効果
モノの位置管理部品・製品・治具・台車などの現在位置を把握モノ探し時間の削減、紛失防止
作業者の位置管理作業者の現在位置や滞在場所を可視化人員配置の最適化、安全管理
作業工程・進捗管理人やモノの移動状況から工程の進捗を把握ボトルネックの発見、工程改善
設備や台車の稼働管理設備や台車の位置・利用状況を把握稼働率向上、資産の有効活用
作業時間・工数の自動取得作業開始・終了時刻や滞在時間を自動記録作業記録の効率化、生産性向上
安全管理・危険エリアへの立ち入り検知危険エリアへの立ち入りや作業者の位置を監視事故防止、迅速な対応

モノの位置管理

RTLSを活用すると、部品や製品、治具、台車などの位置情報をリアルタイムで把握できます。管理システム上で現在位置を確認できるため、モノ探しにかかる時間を削減し、必要な資材をスムーズに見つけられるようになります。また、紛失防止や在庫管理の効率化にも役立ちます。

作業者の位置管理

作業者がどこで作業しているかをリアルタイムで把握できるため、現場全体の状況を可視化できます。作業エリアの確認や応援要員の配置がしやすくなるほか、緊急時には作業者の位置を迅速に確認でき、安全管理の強化にもつながります。

作業工程・進捗管理

RTLSによって、人やモノの移動状況を把握することで、作業工程の進捗をリアルタイムに確認できます。どの工程で滞留が発生しているかを把握しやすくなり、ボトルネックの特定や工程改善に活用できます。

設備や台車の稼働管理

設備や台車にタグを取り付けることで、現在位置や利用状況を把握できます。使用されていない設備や台車を見つけやすくなり、資産の有効活用や適切な配置につながります。

作業時間・工数の自動取得

作業者や対象物の位置情報をもとに、作業開始・終了時刻や滞在時間を自動で記録できます。手作業による記録の負担を軽減できるだけでなく、取得したデータを分析することで、作業時間の短縮や生産性向上に向けた改善にも活用できます。

安全管理・危険エリアへの立ち入り検知

RTLSは、安全管理にも活用されています。危険エリアへの立ち入りを検知した際にアラートを通知したり、作業者の位置をリアルタイムで把握したりすることで、事故やトラブルの防止に役立ちます。また、災害や緊急時には、作業者の所在確認や迅速な避難誘導にも活用できます。

RTLS導入時の注意点


RTLSを導入する際は、単に位置情報を取得できるかだけでなく、測位精度や設置環境、運用方法まで含めて検討することが重要です。目的に合わないシステムを選定すると、期待した効果が得られない場合もあります。ここでは、RTLS導入時に確認しておきたい主なポイントを紹介します。

必要な測位精度を決める

RTLSには、数十cm単位で測位できる高精度な方式から、数m程度の位置把握を目的とした方式までさまざまな種類があります。

例えば、フォークリフトや台車の位置を細かく管理したい場合は高精度な測位が必要ですが、作業者がおおよそどのエリアにいるかを把握できれば十分なケースもあります。まずは「何をどの程度の精度で把握したいのか」を明確にすることが重要です。

設置環境を確認する

工場や倉庫では、金属ラックや機械設備、壁などが電波に影響を与えることがあります。そのため、実際の現場環境によって測位精度が変わる場合があります。導入前には、対象エリアの広さや障害物の有無、天井高さなどを確認し、現場に適した測位方式を選定することが大切です。

導入コストを比較する

RTLSの導入費用は、タグやアンカー(受信機)の台数、対象エリアの広さ、必要な測位精度によって大きく変わります。高精度な方式ほど専用機器が必要になるため、コストが高くなる傾向があります。初期費用だけでなく、タグの追加や電池交換など、運用時に発生する費用も含めて比較検討することが重要です。

保守・運用まで考慮する

RTLSは導入して終わりではなく、継続的な運用が必要です。タグの電池交換や機器のメンテナンス、レイアウト変更時の再設定など、運用面の負担も考慮しておく必要があります。現場で無理なく運用できる仕組みを選ぶことが、長期的な活用につながります。

IoTシステムとの連携性を確認する

RTLSは単独で利用するだけでなく、生産管理システムや設備監視システムなど、他のIoTシステムと連携することでより大きな効果を発揮します。取得した位置情報を既存システムで活用できるか、データ連携が可能かを事前に確認しておくと、将来的な拡張もしやすくなります。

RTLS導入でお悩みの方へ

RTLSは、導入前の現場調査や要件整理によって効果が大きく変わります。ASTINAでは、PoCや小規模導入からの検証にも対応し、現場に合わせた位置情報システムの構築を支援しています。

RTLSの活用事例

RTLSは、人やモノの位置情報をリアルタイムで取得・管理できることから、製造業や物流・倉庫、建設業など幅広い業界で活用されています。位置情報を可視化することで、業務効率の向上や安全管理の強化、生産性の向上など、さまざまな課題の解決につながります。

製造業

製造業では、部品や製品、作業者などの位置情報を活用することで、生産現場の効率化や工程改善に役立てられています。

  • 工程管理
    RTLSを活用することで、人やモノの移動状況から各工程の進捗をリアルタイムで把握できます。工程ごとの滞留やボトルネックを早期に発見できるため、生産計画の見直しや工程改善につながります。
  • 部品管理
    部品や治具、仕掛品などにタグを取り付けることで、現在位置をリアルタイムで確認できます。必要な部品をすぐに見つけられるため、モノ探し時間の削減や部品の紛失防止、在庫管理の効率化に役立ちます。
  • 作業分析
    作業者の移動経路や作業時間を記録・分析することで、作業動線や工程のムダを把握できます。データに基づいてレイアウトや作業手順を改善することで、生産性向上や業務の標準化につながります。

物流・倉庫

物流・倉庫では、荷物や設備の位置情報を可視化することで、入出庫作業や在庫管理の効率化に活用されています。

  • パレット管理
    パレットの位置をリアルタイムで把握することで、保管場所や移動状況を簡単に確認できます。保管場所の検索時間を短縮できるほか、誤出荷や紛失の防止にも役立ちます。
  • フォークリフト管理
    フォークリフトの位置や稼働状況をリアルタイムで把握することで、運搬ルートの最適化や待機時間の削減が可能になります。また、稼働状況を分析することで、設備の有効活用や安全管理にもつながります。
  • 在庫管理
    位置情報と在庫情報を組み合わせることで、保管場所や在庫状況をリアルタイムに管理できます。棚卸し作業の効率化や在庫の適正管理が可能となり、物流業務全体の生産性向上に貢献します。

建設業

建設業では、広い現場で作業員や重機の位置情報を把握することで、安全性の向上や現場管理の効率化に活用されています。

  • 作業員の安全管理
    作業員の現在位置をリアルタイムで把握することで、危険エリアへの立ち入りを検知したり、緊急時に迅速に所在を確認したりできます。事故防止や災害時の安全確保など、安全管理の強化に役立ちます。
  • 重機管理
    重機の位置や稼働状況を把握することで、効率的な配置や運用が可能になります。また、作業員と重機の接近を検知してアラートを発することで、接触事故の防止や安全な作業環境の実現にも活用されています。

まとめ

RTLSは、人やモノの位置情報をリアルタイムで把握し、業務の効率化や安全性向上を実現する位置測位システムです。UWBやBLE、Wi-Fi、RFIDなどさまざまな測位技術があり、求める精度や利用環境に応じて最適な方式を選択することが重要です。

また、IoTシステムと連携することで、位置情報を活用した工程管理や設備管理、稼働状況の可視化など、より高度な現場改善が可能になります。導入時は、測位精度や設置環境、運用方法、システム連携まで含めて総合的に検討することが成功のポイントです。

自社の課題や運用目的に合ったRTLSを選定することで、DXや生産性向上を効果的に進められるでしょう。

ASTINAでは、RTLSをはじめとしたIoT・AI・ロボティクス技術を活用し、現場の課題に合わせたシステム開発やIoTソリューションをご提供しています。位置情報の取得だけでなく、各種センサーとの連携によるデータの一元管理や業務の自動化まで、企画・開発・導入・運用を一貫してサポートします。RTLSの導入やIoT活用をご検討中の方は、ぜひASTINAまでお気軽にお問い合わせください。

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