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土壌センサーとIoTとは?仕組みやメリット、導入方法を解説

この記事はこんな人におすすめ
  • 土壌の水分量や温度を効率よく把握したい
  • 土壌データをスマートフォンから確認したい
  • 土壌データを活用して水やりを自動化したい

水やりや栽培管理を効率化したいものの、土壌の状態をどのように把握すればよいか悩んでいませんか?

経験や感覚だけで判断するのではなく、土壌の水分量や温度などをデータとして取得することで、管理方法を見直しやすくなります。土壌センサーとIoTを組み合わせれば、遠隔監視だけでなく、異常通知や灌水設備の自動制御も可能です。

本記事では、その仕組みやメリット、必要な機器、導入時の注意点を解説します。

目次

土壌センサーとIoTとは

管理

土壌センサーとは、土壌に設置して水分量や温度などの状態を計測するセンサーです。取得したデータは現場で確認するだけでなく、IoTと組み合わせることで、より幅広く活用できます。

IoTとは、センサーや機器をネットワークにつなぎ、取得したデータを遠隔から確認・管理したり、設備の制御などに活用したりする仕組みです。土壌センサーとIoTを組み合わせれば、離れた場所から土壌の状態を確認したり、データを継続的に記録したりできます。

さらに、収集したデータをもとに異常を通知したり、灌水設備などを制御したりすることで、栽培管理の効率化や自動化にもつなげられます。

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土壌センサーで計測できるデータ

土壌センサーで計測できる項目は製品によって異なります。代表的な計測項目には、以下のようなものがあります。

  • 土壌水分量
    土壌がどの程度水分を含んでいるかを把握できます。継続的に計測することで、土壌の乾燥状態や灌水のタイミングを判断する際に活用できます。
  • 土壌温度
    土壌の温度を計測し、作物の生育環境を把握できます。温度の変化を記録することで、栽培環境の管理や改善に役立てられます。
  • EC(電気伝導度)
    土壌中の養分状態などを把握する際に利用される指標です。施肥や土壌環境を管理するためのデータとして活用できます。

必要な計測項目は、作物や栽培方法、管理したい内容によって異なります。そのため、土壌センサーを導入する際は、何を計測して、どのように活用したいのかを明確にしたうえで製品を選ぶことが重要です。

計測項目分かること活用例
土壌水分量土壌の水分状態灌水の判断・自動化
土壌温度土壌の温度変化栽培環境の管理
EC土壌中の養分状態など施肥・土壌環境の管理

IoTで土壌データを収集・管理する仕組み

IoTを活用すると、土壌センサーで計測したデータを通信でクラウドなどに送信し、PCやスマートフォンから遠隔で確認できます。

【基本的な仕組み】
土壌センサーで計測
   ↓
通信機器でデータを送信
   ↓
クラウドなどに蓄積
   ↓
PC・スマートフォンで確認

例えば、土壌水分量を継続的に記録すれば、現在の状態だけでなく過去の変化も確認できます。また、設定値を下回った際に通知したり、灌水設備と連携して自動制御したりすることも可能です。

このように、土壌センサーとIoTを組み合わせることで、土壌状態の遠隔監視からデータ活用、栽培管理の自動化までつなげられます。

土壌センサーとIoTを導入するメリット

土壌センサーとIoTを活用することで、遠隔での土壌状態の確認やデータ記録、栽培管理の効率化・自動化が可能です。具体的なメリットについて、以下で詳しく説明します。

土壌状態を遠隔から確認・記録できる

土壌センサーとIoTを組み合わせることで、現場に設置したセンサーから土壌水分量や土壌温度などのデータを取得し、PCやスマートフォンから確認できるようになります。

これまで現場を巡回して確認していた作業を効率化できるほか、計測したデータをクラウドなどに蓄積すれば、過去の変化も確認できます。日々の土壌状態を記録しておくことで、栽培環境の振り返りや改善にも活用できます。

水やりや栽培管理を効率化できる

土壌水分量などのデータを継続的に確認することで、土壌の状態に応じて水やりや灌水のタイミングを判断しやすくなります。

これまで経験や感覚に頼っていた判断にデータを取り入れることで、担当者による判断のばらつきを抑え、栽培管理を効率化できます。また、蓄積したデータを分析することで、栽培環境の改善や管理方法の見直しにも役立てられます。

異常の早期発見や栽培管理の自動化につなげられる

土壌水分量などにしきい値を設定し、基準値を下回った場合に通知する仕組みを導入すれば、土壌の乾燥などの異常に早く気付けます。問題が大きくなる前に対応できるため、作物への影響や管理負担の軽減につながります。

さらに、土壌センサーのデータを灌水設備などと連携すれば、設定した条件に応じて設備を自動で動作させることも可能です。土壌の計測から通知、設備制御までを連携させることで、栽培管理のさらなる省力化・自動化につなげられます。

土壌センサーとIoTの導入に必要なもの

土壌センサーとIoTを導入するには、データを計測するセンサーだけでなく、データを送信・管理するための機器や、確認・制御するための環境が必要です。基本的な構成を紹介します。

機器・システム役割
土壌センサー水分量・温度・ECなどを計測
通信機器・ゲートウェイ計測データを送信
データ管理システムデータを蓄積・管理
PC・スマートフォンデータを確認
制御機器灌水設備などを制御

土壌センサー・通信機器・データ管理システム

土壌センサーとIoTを組み合わせる場合、主に「計測する」「データを送る」「データを蓄積・管理する」ための機器やシステムが必要です。

土壌センサー

土壌に設置し、水分量や温度、ECなど、必要なデータを計測します。作物や栽培方法によって必要な計測項目は異なるため、導入目的に合ったセンサーを選ぶことが重要です。また、屋外やビニールハウスなどの設置環境も考慮する必要があります。

通信機器・ゲートウェイ

センサーで取得したデータをクラウドやサーバーへ送信するために使用します。通信方法にはWi-Fi、Bluetooth、LTE・LTE-M、LPWAなどがあり、農地やビニールハウスの設置環境、通信距離、電源の確保状況などによって適した方式が異なります。 例えば、ビニールハウス内で通信環境を確保できる場合と、通信設備のない離れた農地では適した通信方式が異なります。主な通信方法と、それぞれに向いているケースは以下のとおりです。

通信方法向いているケース例
Wi-Fi通信環境を用意できる施設・ハウス
Bluetooth比較的近距離でデータを収集したい場合
LTE・LTE-Mなど離れた農地から遠隔監視したい場合
LPWAなど広いエリア・低消費電力で通信したい場合

データ管理システム

センサーから送られたデータをクラウドなどに蓄積し、現在の土壌状態や過去の変化を確認できるようにします。データをグラフなどで可視化したり、一定の値を超えた場合に通知したりする機能を追加することもできます。

確認端末・設備制御機器

収集した土壌データを活用するには、「データを確認する」「必要に応じて設備を動かす」ための仕組みも必要です。

  • 確認端末
    PCやスマートフォンなどから、クラウドに蓄積した土壌水分量や温度などのデータを確認します。グラフ表示に対応させれば、現在の状態だけでなく、時間ごとの変化や過去のデータも把握できます。異常値を検知した際に通知を受け取る仕組みを組み合わせることも可能です。
  • 設備制御機器
    栽培管理を自動化する場合は、灌水設備やポンプなどを制御するための機器も必要です。土壌センサーで取得したデータと設備を連携させ、土壌水分量が設定値を下回った場合に灌水を開始するなど、条件に応じた自動制御につなげられます。
土壌センサーを活用したIoT化を検討している方へ

土壌センサーをIoT化する際は、計測したい項目だけでなく、通信環境やデータの管理方法、将来的な設備連携まで考えてシステムを構成する必要があります。

「どのセンサーや通信方法を選べばよいか分からない」「既存の設備と連携できるか確認したい」といった場合は、導入したい仕組みがまだ具体的に決まっていない段階でもご相談いただけます。

土壌センサーとIoTを導入する際の注意点

土壌センサーとIoTを導入する際は、機器を設置するだけでなく、設置環境やデータの活用方法まで考えることが重要です。導入前に確認しておきたいポイントを紹介します。

センサー・通信・電源を設置環境に合わせて選ぶ

土壌センサーは、計測したい項目だけでなく、実際に設置する環境に適したものを選ぶ必要があります。農地やビニールハウスでは、温度や湿度、水濡れ、土壌への埋設などを考慮し、使用環境に適した仕様のセンサーを選定します。

また、センサーで取得したデータを遠隔で確認するには、通信環境も重要です。Wi-Fiが届かない場所では、LTEやLPWAなど別の通信方式が適している場合があります。設置場所まで安定して通信できるかを事前に確認しましょう。

さらに、電源の確保も必要です。AC電源を使用できるか、電池で運用するかなど、設置場所やメンテナンスのしやすさを考慮して電源方式を決める必要があります。

センサーの設置場所や測定条件に注意する

土壌センサーは、単純に土へ挿せばよいわけではありません。土壌の状態や設置場所、深さ、センサーと土壌の接触状態などによって測定値が変わる場合があるため、以下の点に注意して設置します。

  • 作物の生育状況や土壌状態を考慮して測定地点を決める
    圃場内でも土壌の水分量などに差があるため、作物の生育が平均的な場所や、日当たり・排水条件などが圃場全体を代表する地点を選びます。必要に応じて複数箇所に設置し、場所による違いを確認する方法もあります。
  • 作物の根がある深さに設置する
    作物が実際に水分を吸収する範囲を考慮し、根のある深さに合わせてセンサーを設置します。
  • センサーを土壌にしっかり接触させる
    センサーの測定面と周囲の土壌が密着し、センサーと土壌の間に空気の隙間ができない状態で設置します。センサーの周囲に隙間があったり、土壌が十分に密着していなかったりすると、測定値に影響する場合があります。
  • 測定値を確認して必要に応じて調整する
    センサーを設置した後は、取得した測定値が想定した範囲にあるかを確認します。実際の土壌状態と測定値に差がある場合は、センサーの設置場所や深さ、土壌との接触状態などを見直し、必要に応じて再設置や設定の調整を行います。

収集したデータの活用方法を決める

土壌センサーを導入する際は、取得したデータを「どこまで活用するのか」をあらかじめ決めておくことが重要です。 例えば、土壌の状態をPCやスマートフォンで確認するだけなのか、一定の値を超えたときに通知を受け取りたいのか、さらに灌水設備まで自動制御したいのかによって、必要な機器や通信方法、システムの構成が変わります。 そのため、導入前に「閲覧」「通知」「設備制御」など、実現したい範囲を整理したうえで、必要な機器やシステムを選定しましょう。将来的に機能を追加する可能性がある場合は、拡張性も考慮して構成を検討することが大切です。

導入後にかかる通信費・クラウド利用料なども確認

土壌センサーとIoTを導入する際は、センサー本体や通信機器などの初期費用だけでなく、導入後に継続して発生する運用費も確認しておくことが重要です。

システムによっては、通信費やクラウドの利用料に加えて、電池交換、機器の保守、センサーの交換などが必要になる場合があります。導入前に、初期費用だけでなく、通信・クラウド・メンテナンスなどにどのような費用が発生するのかを確認し、継続して運用できる構成を検討しましょう。

土壌センサーとIoTを導入するステップ

土壌センサーとIoTを導入する際は、目的や必要なデータを整理したうえで、現場に適した機器やシステムを選定することが重要です。基本的には、以下の流れで導入を進めます。

目的・計測項目・設置場所を決める

まず、土壌センサーとIoTを導入して何を実現したいのかを明確にします。例えば、土壌水分量の遠隔監視や灌水の判断、栽培データの記録など、目的によって必要な計測項目やシステム構成が変わります。

目的に合わせて、水分量や温度、ECなどの計測項目を決め、**作物の生育状況や土壌の状態を考慮してセンサーの設置場所や深さ、必要な数を検討します。**あらかじめ「何を計測し、どのように活用するか」を整理しておくことで、必要な機器を選びやすくなります。

機器を選定してシステムを構築する

次に、土壌センサーで取得したデータを通信機器からクラウドやサーバーへ送信し、蓄積・管理できる仕組みを構築します。通信環境や設置場所に合わせて通信方式を選び、PCやスマートフォンからデータを確認できるようにします。

必要に応じて、取得したデータをグラフで表示したり、設定値を超えた場合に通知したりする機能を追加します。どのデータを、どのように確認・管理したいかを整理したうえで、現場に適した仕組みを構築することが重要です。

運用しながら改善する

導入後は、実際の計測データや現場での使い勝手を確認しながらシステムを調整します。 センサーの設置位置や計測頻度、通知の基準値、設備の制御条件などを見直し、現場に適した運用へ改善していきます。

また、運用後の改善まで見据えて、導入段階から自社で対応できる範囲と外部に依頼する範囲を検討しておくことも大切です。

土壌センサーとIoTの導入を外部に依頼したほうがよいケース

土壌センサーとIoTは、市販の機器を組み合わせて導入できる場合もあります。一方で、既製品では対応できない機能が必要な場合や、複数の機器を連携させたい場合などは、専門的な知識や開発が必要になることがあります。ここでは、外部への依頼を検討したほうがよいケースを紹介します。

市販のIoT機器だけでは必要な機能を実現できない

市販のIoT機器は手軽に導入できる一方、計測項目やデータの保存方法、画面表示、通知機能などが製品ごとに決められている場合があります。

「必要なデータだけを取得したい」「自社の管理方法に合わせてデータを表示したい」など、既製品の仕様では対応しにくい要件がある場合は、個別にシステムを開発する方法があります。

複数のセンサーや設備を連携させたい

土壌水分量だけでなく、温度や湿度など複数のセンサーをまとめて管理したい場合や、センサーと灌水設備などを連携させたい場合は、機器間の接続やデータの受け渡しを考える必要があります。

それぞれの機器を個別に管理するのではなく、取得したデータを一つのシステムでまとめて確認・活用したい場合は、専門会社にシステム全体を設計してもらうことで対応しやすくなります。

データ管理や設備制御まで含めてシステム化したい

土壌データを収集するだけでなく、クラウドへの蓄積やグラフ表示、異常通知、灌水設備の自動制御まで行いたい場合は、センサー以外のシステム開発も必要になります。

例えば、土壌水分量が設定値を下回った場合に通知を送ったり、灌水設備を自動で動作させたりする仕組みです。このように、土壌センサーの導入からデータ管理、設備制御まで一体化したい場合は、IoTシステムの開発会社への依頼を検討するとよいでしょう。

ASTINAの農業IoTデバイス開発事例

ASTINAでは、農業・家庭菜園向けIoTデバイス「grow CONNECT」の開発を支援した実績があります。

「grow CONNECT」は、土壌水分量や土壌温度、日照量などをセンサーで取得し、そのデータをアプリでの栽培管理に活用するIoTデバイスです。ASTINAでは、機械設計や回路設計、組込みソフト開発、量産に向けたディレクションなどを担当しました。

このように、IoTシステムではセンサーそのものだけでなく、データの取得・通信・管理まで含めて設計する必要があります。

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土壌センサーを活用したIoTシステムをご検討の方へ

市販の機器だけでは実現が難しいデータ管理や設備連携、自動制御についても、現場の環境や目的に合わせてご相談いただけます。

土壌センサーとIoTに関するよくある質問

土壌センサーとIoTの導入や活用について、よくある質問を紹介します。

土壌センサーはどのようなデータを測定できますか?

土壌センサーでは、主に土壌水分量や土壌温度、EC(電気伝導度)などを計測できます。製品によって計測できる項目は異なるため、作物や栽培方法、管理したい内容に合わせて選ぶことが重要です。

土壌センサーのデータをスマートフォンで確認できますか?

IoTに対応したシステムを構築すれば、土壌センサーで取得したデータをスマートフォンから確認できます。クラウドなどにデータを蓄積することで、現場から離れた場所でも土壌状態を確認したり、過去のデータを確認したりできます。設定値に応じて通知を受け取る仕組みを追加することも可能です。

Wi-Fiがない農地でも土壌センサーをIoT化できますか?

可能です。Wi-Fiが利用できない農地でも、LTE・LTE-MやLPWAなどの通信方式を利用することで、土壌センサーのデータを遠隔で送信できる場合があります。

ただし、通信方式によって通信距離や電源の消費量などが異なるため、農地の場所や通信環境、設置するセンサーの数などを考慮して選ぶ必要があります。通信状況によっては、ゲートウェイなどの機器を設置する方法もあります。

土壌センサーとIoTを使って水やりを自動化できますか?

可能です。土壌センサーで計測した水分量などを条件として、灌水設備やポンプなどを制御する仕組みを構築できます。

例えば、土壌水分量が設定値を下回った場合に自動で灌水を開始するなど、栽培環境に合わせた自動制御が可能です。ただし、実際に自動化するには、センサーだけでなく通信機器や制御機器、システムなどを含めた構成を検討する必要があります。

まとめ

土壌センサーとIoTを導入することで、これまで現地で確認していた土壌の状態をデータとして把握し、栽培管理に活用できるようになります。単に土壌の状態を確認するだけでなく、蓄積したデータをもとに水やりなどの作業を効率化したり、設備を自動で制御したりすることも可能です。

一方で、必要なセンサーや通信方法、データの活用方法は、農地の環境や栽培方法、実現したいことによって異なります。市販のIoT機器で対応できる範囲を超えて、複数のセンサーや設備を連携させたい場合は、目的に合わせたシステム開発を検討することが重要です。

ASTINAでは、土壌センサーをはじめとした各種センサーからデータを収集し、管理・可視化するIoTシステムの開発に対応しています。センサーの選定からデータ管理、設備との連携まで、現場の環境や目的に合わせて仕組みを検討できます。

市販のIoT機器だけでは対応が難しい機能の追加や、複数のセンサー・設備を組み合わせたシステムの構築、計測データを活用した自動制御などを検討している場合は、ASTINAへご相談ください。

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