IoTによるモニタリングを実現するメリットは?導入や運用の注意点を解説

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工場におけるさまざまな情報を把握できれば、工程の改善や品質の確保を効率的に行うことが可能です。近年は、IoTを活用した監視を行うIoTモニタリングを導入する企業が増えています。

当記事をご覧の方のなかには、IoTを利用したモニタリングを検討している方もいるでしょう。そこで今回は、「IoTモニタリングのメリットや実現の流れ」について解説します。IoTモニタリングの導入に困っているという方は、参考にしていただけたらと思います。

目次

IoTモニタリングとは?

IoTモニタリングとは、IoTを活用した環境や状況などのモニタリングで、リモートモニタリングや遠隔監視と呼ばれることもあります。特に、製造業におけるIoTモニタリングは、工場の設備にIoT機器を設置し、設備の稼働状況などさまざまなデータを監視することを指します。

IoTセンサなどの機器により取得したデータは、ネットワーク上に設置されたクラウドに集約し、遠隔地での確認が可能です。

IoTでモニタリングできる対象は?

IoTを用いることで、遠隔でモニタリングできる情報には、次のようなものがあります。

  • 振動、電流、音など、設備が正常に稼働していることを確認できるデータ
  • 稼働時間、生産数などの稼働状況に関するデータ
  • 工場内外の人流や温度、湿度など周辺環境に関するデータ

IoTモニタリングしたこれらのデータは、生産性の向上や品質の安定化に活用できます。

製造業におけるIoTモニタリングのメリット

製造業において、IoTモニタリングを実施する際のメリットを紹介します。

  • 計測情報の可視化による管理業務の効率化
  • 遠隔監視の実現による働き方改革の実現
  • 収集したデータの蓄積によるノウハウの可視化

計測情報の可視化による管理業務効率化

IoTモニタリングを行いたい設備にセンサを設置することで、遠隔地でも設備の稼働状況の確認が可能になります。

設備の状態を確認するために作業者が巡回をする必要がなくなるため、異なる拠点も含め、業務をしている環境から物理的に離れた場所にある設備でも、普段業務を行っている環境で確認することが可能です。管理業務を効率的に行うことができるため、人件費や出張費の削減に繋がります。

遠隔監視の実現による働き方改革の実現

IoTを活用した設備のモニタリングができれば、設備がある場所で対応しなければならない仕事を減らせます。

現地でしかできない仕事が減れば、コロナ禍で進んだリモートワークに対応しやすくなり、従業員の働き方改革に繋がります。現場だけでなく、遠隔地勤務や在宅勤務などの多様な働き方を実現できるため、従業員が柔軟に勤務をできるようになり、社員満足度の向上や人材採用の柔軟化を実現できます。

収集したデータの蓄積によるノウハウの可視化

モニタリングをする際にIoT機器で収集したデータを、データベースなどに蓄積し続け、分析することで、さまざまなノウハウを可視化することが可能です。

例えば、設備の稼働状況として生産設備の電流を計測することで、設備が故障する前の電流波形を元に予知保全ができます。他にも、生産台数や稼働時間、各工程のタクトタイムなど、さまざまなデータを組み合わせて活用することで、経営判断の精度向上に繋がります。

IoTモニタリング実現の流れ

ソリューション

IoTを活用して設備のモニタリングを実現するためには、以下のような対応が必要です。

  • モニタリングしたい情報を取得できるセンサの設置
  • 収集したデータをクラウドへ集約
  • 集約されたデータの可視化

モニタリングしたい情報を取得できるセンサの設置

解決したい課題に応じて、IoT機器を用いてモニタリングをしたい情報は異なります。まずは、課題を解決するためにどのような情報をどの程度の頻度、精度で取得すべきか明確にし、適切な精度・頻度で取得可能なセンサを選定することが重要です。選定したセンサを設備に設置することで、必要なデータを取得できる環境を構築できます。

収集したデータをクラウドへ集約

設備に設置したIoTセンサをネットワークに接続することで、センサにより収集したデータをネットワーク上のクラウドに集約できます。

データの送受信を行う際には、通信規格や通信速度を適切に設定する必要があります。リアルタイムで処理を行ったデータを判断に用いる場合には、IoTモニタリングを構築することになった当初の目的を達成できる設定になっているか、しっかり確認することが重要です。

集約されたデータの可視化

IoTクラウドに集約されたデータは、膨大であり、そのままでは使いにくい状態です。うまく活用するためには、データの可視化など、目的に合わせた適切な処理を行う必要があります。

あらかじめ、クラウド上に集約したデータを自動で処理できるような仕組みを用意しておくことで、取得したデータを効率的に可視化できます。時間をかけずにデータを活用できれば、課題解決や経営判断の迅速化に繋がります。

IoTモニタリングにおける注意点

IoTモニタリングをする際には、以下のような注意点があります。それぞれ解説します。

  • モニタリングするだけで終わらない
  • 既存設備に対応した通信規格の選定
  • セキュリティの確保

モニタリングだけで終わらない

設備にIoT機器を設置し、モニタリングによりデータを収集できるようになると、うまくデータ取得ができたという満足感を得られます。しかし、データ取得だけで満足してはいけません。

本来の目的は、取得したデータをうまく活用し、製品の品質向上や生産効率化、製造コストの低減など、当初設定した目的を実現することです。また、取得したデータを当初の目的以外にも活用できないか、貪欲に検討し続けることで、IoTモニタリングの導入効果を最大化できます。

既存設備に対応した通信規格の選定

IoTモニタリングを実現する際には、複数の設備を1つのネットワークで管理する場合があります。それぞれの設備に対応した通信規格を選定することで、狙い通りのIoTモニタリングシステムを構築できるでしょう。

IoTシステムを構築する際には、あらかじめ接続する設備の通信規格を確認した上で、センサや送受信デバイスの選定を行う必要があります。

セキュリティの確保

IoTモニタリングを行うためのIoTシステムには、外部に漏らすことができない重要な機密データが含まれている場合があります。

ネットワークのセキュリティが十分に確保できていないと、外部からの不正アクセスなどにより、悪影響が発生する恐れがあります。貴重なデータが悪意を持った攻撃やウイルスなどの影響で外部に流出してしまわないように、十分なセキュリティを確保することが必要です。

まとめ

IoTを活用することで、設備の状況をモニタリングできるようになり、働き方を柔軟に変えられる可能性があります。また、さまざまなデータを取得することで、課題解決や経営判断を迅速に行えるため、IoTモニタリングは、大きな効果が期待できます。

一方で、当初の目的を果たすところまで業務をやり切ること、システム構築をする際に配慮すべき項目が多いことについては、注意が必要です。これらに注意をすることで、効果的なIoTモニタリングシステムが構築できるでしょう。

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