光センシングとIoTの活用事例とは?光センサの種類と特徴を解説

光センサ

さまざまな製品の自動化やデジタル技術が普及する中で、光センシング技術がよく用いられています。この記事をご覧の方の中には、光センシングについて学び、うまく活用したいと考えている方もいるでしょう。

そこで今回は、「光センシングとは」「光センサの種類と特徴」に加えて、具体的な活用事例などを解説します。「光センシングの概要が分からずに悩んでいる」という方は、参考にしていただけたらと思います。

目次

光センシングとは?

光

光センシングとは、光電センサとよばれることもある光センサを用いて、物質の状態を測定、分析する技術です。光は、波と粒子との性質を併せ持っており、光センサでは光の性質の中でも特に波の性質を活用しています。

光センサのメリットは、対象物に触れることなく計測できることです。また、ガラス越しに計測ができる点も大きなメリットの一つです。反射や透過、干渉、偏光、吸収といった光の特徴をうまく活用しているセンサです。

高度な光センサと単純な光センサ

光の通過
digital mobile technology background with glowing speed rays

光センサは、単純な光センサと高度な光センサに分類されます。

単純な光センサは、光が検出対象に当たったかどうかを判定するのみでON/OFFで判定されます。自動ドアなど赤外線の検知による人感センサなどが代表的で、多くの方がイメージしやすいでしょう。

一方で、高度な光センサは、光を電気信号に変換することで、ON/OFFの情報ではなく多様な情報を取得できます。例えば、デジタルカメラやカラーセンサなどは、高度な光センサの技術を活用することで、画像や動画で保存することが可能です。

他には、透過率の高い近赤外線を用いた非破壊検査装置※なども、高度な光センサの活用例として知られています。

※非破壊検査装置……検査対象物の機能や形状を損なうことなく、内部を検査する装置のことを指します。

光センシングに活用する光センサの検出方式による分類

光センサー

光センシングに利用できる光センサの検出方式は、透過型と反射型に分類できます。光センサは、光を投光する投光器と光を受ける受光器によって構成されており、その配置の違いにより分類されています。

センサ種類メリットデメリット
透過型・検出可能距離の幅が広い
・粉塵の影響を受けにくい
・受光器設置のスペースが必要
反射型(拡散反射型)・受光器設置のスペースが不要
・透明な物体でも検出可能
・検出可能距離が短い
・背景の影響を受けやすい
反射型(距離設定型)・背景の影響を受けにくい
・小さな物体も高精度に検出可能
・検出可能距離を長くすると一体型の投光器、受光器が大きくなる
反射型(回帰反射型)・投光器と反射材の設置のみで対応可能
・長い距離でも検出可能
・透明な物体の検出が不可
・投光器の反対側に設置が不要な場合と比較して反射材の設置が必要
反射型(限定反射型)・特定の距離にある物体のみを検出可能
・背景の影響を受けない
・検出範囲が限定される

透過型光センサ

透過型光センサは、投光器からの光を受光器が受け取れるように、投光された光の直進方向正面に受光器を配置します。検査対象が投光器から投光された光をさえぎったとき、受光器が受け取る光の量が通常よりも減少することによって、投光器と受光器の間に存在する物体の検出をします。

透過型光センサは投光器の反対側に受光器があることから、光が反射によって減衰することがないため、反射型光センサに比べ検出可能距離の幅があります。また、粉塵の影響を受けにくいことや動作が安定していることが、透過型光センサの大きな特長です。

位置検知や回転検知に用いることができ、生産システムや設備の自動化などに採用されます。ただし、投光器と受光器を必ず対面で設置する必要があるため、それが制約となって透過型光センサを採用できない場合もあるでしょう。

反射型光センサ

反射型光センサは、投光器と受光器が検出対象から見て同じ方向に配置されることが特徴です。通常であれば投光器から投光された光は受光器に入りませんが、検査対象があると光が検査対象に当たり、反射します。反射した光を受光器が受け取り、その光の量の変化を利用して検査対象の検出をします。

反射型は以下の4種類に分類できます。

  • 拡散反射型
  • 距離設定型
  • 回帰反射型
  • 限定反射型

拡散反射型

拡散反射型は、反射型の中でもっともポピュラーな光センサです。受光器と一体化した投光器から直接検出したい物体に向けて投光し、検出物体で反射した光を受光器で受けることで物体を検出します。

センサ本体だけを取り付ければよいため、反対側のスペースが狭かったとしても設置可能です。また、光軸合わせが不要で、光を反射する反射体であれば透明な物体でも検出できます。さらに、色も判別できます。

一方で透過型に比べて、検出可能な距離が短い点や検出物体の背景の影響を受けやすいというデメリットもあります。採用する場合には、使用環境に十分な注意が必要です。

距離設定型

距離設定型は、投光器と受光器が一体になっている構成です。

投光器から検出物体に対してスポット光を照射し、検出物体で反射された光が受光器に入ってくる角度の違いによって検出物体までの距離を三角測量方式で検出する方法を採用しています。これは、オートフォーカスカメラに採用されているような手法です。

検出物体のみに光を照射するため、検出物体の後方に反射率が高い背景があっても問題なく、検出物体の色や反射率が異なったとしても安定した検出が可能です。また、小さな物体でも精度高く検出できます。

回帰反射型(リフレクタ型)

光の反射

回帰反射型はリフレクタ型ともよばれ、光センサの対向位置に光を反射する反射板を設置します。検出物体がない場合には常に、投光した光が反射板で反射したものを受光器で受光していますが、検出物体が通過する際には受光する光がさえぎられることで検出をします。

透過型光センサと比べ、対向位置に貼り付けるのが反射板だけなのでわずかなスペースでも設置でき、光軸合わせが簡単です。また、拡散反射型に比べると長い距離でも検出できます。透明な物体でも検出できますが、不透明な物体であれば、形状や色、材質に関係なく検出することが可能です。

類似の製品として、偏光の性質を応用したポラライズドリフレクタ型とよばれるセンサがあります。

限定反射型

限定反射型は、投光器と受光器が一体になった光センサです。投光部と受光部がそれぞれ異なる角度に配置されており、検出範囲が限定されます。

検出範囲が限定されているため、センサから一定の距離にある検出物体のみをピンポイントに検出し、その他の場所にある物体を検出の対象外にしたい場合に効果的です。例えば、微小な段差の違いを検出したい場合に採用されています。またこちらも、直接検出物体に反射させるため、背景の影響を受けません。

光センシングの活用事例

光センシングの具体的な活用事例を紹介します。

  • IoTと光センサを組み合わせた予知保全の実現
  • 光センサによる近接検知での安全性確保
  • 光センサ活用による検査工程の自動化

IoTと光センサを組み合わせた予知保全の実現

光センサを活用すれば、設備の作動回数や位置制御精度の変化などを検出可能です。これらのデータをIoTでクラウドに蓄積・分析することによって、設備の正常時と異常時、また異常が発生する際の傾向をデータで判断できるようになります。異常が発生する際の傾向が把握できれば、故障が発生する前にメンテナンスを実施する予知保全が実現できます。

光センサによる近接検知での安全性確保

光センサは、作業者の安全を確保するためにも活用されています。稼働している生産設備の周囲を光センサによって監視できる状態を構築し、作業者が危険なエリアに近づいたら設備を緊急停止させるような対策が可能です。IoTを活用して緊急停止を検知したら保全に連絡がいくシステムを構築しておけば、緊急停止後も速やかに確認し、稼働を再開できます。

光センサ活用による検査工程の自動化

高精度な光センサを活用すれば、製品の寸法ずれや誤品の検出が可能です。作業者の目では判別が難しいような製品ばらつきでも、検査工程に光センサを活用することで、人間が行うよりも高い精度での検査ができます。これにより、品質の向上に加えて、品質の安定化も実現しています。

光センサ市場の将来性

Iot

光センシングに関する技術開発は、今後も進んでいくと考えられます。

労働力不足の懸念が継続する製造業では、スマート工場を実現するためにIoTに活用できる光センシング技術が必要となるため、需要は拡大していくでしょう。

また、自動車業界では、自動運転の精度を高めるために外界の検知が必要であり、光センサが活用されています。自動運転車両の普及と共に、光センサの需要も大きくなっていくでしょう。

まとめ

問い合わせボタン

光センシングは、光センサを活用して計測を行うことであり、距離測定や色の識別などさまざまな分野で活用されています。広い用途から、さまざまな種類の光センサが開発されてきました。計測可能距離や設置場所の制約などそれぞれ違いがあるため、使用環境に合わせたセンサの選定が必要です。

今後は、光センサ単体での活用に比べて、具体的な事例で紹介したようなIoTやAIとの組み合わせが進んでいくと考えられます。需要は拡大し続けていくと考えられるため、遅れを取らないように光センシング技術の効果的な活用を進めるといいでしょう。

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