IoTの予算を立てる際に考慮すべきコストと注意点は何か

遠隔

IoTの導入の予算を立てる際に考慮すべきコストと注意点は何か、考え方は?

IoTの導入を考える際、最も気になることの一つに予算が挙げられます。この記事では、IoT環境を用意する際の予算はどのように考えていけばいいのか、解説します。

目次

IoT環境を用意する際の予算とは

IoT環境

一概にIoT化の予算といっても「だいたいいくら」というように、一律で具体的な数値を述べることはできません。なぜならIoT導入に際する予算は、さまざまな条件により大きく変動するからです。予算を変動させる要因には、主に次のようなものがあります。

工場や事業所の規模の問題

当たり前ではありますが、まず工場や事業所の規模によって予算は大きく変わります。大きい工場や事業所であれば、接続する機器の数やシステムの規模も大きくなりやすいため、当然費用は高くなります。

IoT化する範囲

工場や事業所の大きさだけでなく、IoT化する範囲も予算を大きく変動させる要因です。例えば、ごく一部の機器や設備だけをIoT化するのであれば、大きな事業所であっても少ない予算で導入可能です。一方で小さな工場でも、そこにある全ての機器をIoT化しようとすれば、予算はより多くなります。

取得するデータの量

IoT化にあたっては、モノをネットワークにつなげるために、さまざまなデータを取得することになります。一つの機器からでも、振動だけを取得する、振動とPLCの信号を取得する、振動と温度と消費電力とPLC信号を取得するなど、さまざまなデータが考えられます。目的を果たし、課題を解決するためにはどんなデータをどれだけ必要とするかによっても、IoT化の予算は大きく変動します。

IoT導入にかけた予算の前年売上高比

PMのイメージ

このような理由から、IoT化の予算を一概に語るのはとても難しいと言えます。そこで一つの指標として、国内の企業が前年の売上に対してどれくらいの金額をIoT化の予算に割いているかをみてみましょう。

IoT導入にかけた予算の前年売上高に対する割合

2014年に行われた総務省の調査(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h28_01_fuzoku.pdf)によると、企業がIoT導入にかけた予算の前年売上高に対する割合の分布は次のようになっています。

  • 3%未満      :30.0%
  • 3~5%未満 :21.3%

また、IoTへの投資額は年々増加傾向にあり、40%近い企業が「IoTへの投資額は前年にくらべて20%以上増加している」と答えているという調査結果もあります。

この調査によれば、IoT導入にかけた予算は前年売上高の5%未満の企業がほとんどであると分かります。しかし上記の結果は2014年のものであることから、現在はより多くの予算を投じている企業が増えていると予想されます。

IoT導入時にかかるコスト

費用

IoTを導入する際には、さまざまなコストがかかります。そのため、予算について考える際には、どのような部分にコストがかかるのかをあらかじめ知っておかなければいけません。IoTの導入時にかかるコストには、次のようなものがあります。

IoT機器のコスト

IoT導入にあたって、最初に考えなければならないのはIoT機器の準備にかかる費用です。例えばセンサや通信装置、ケーブル、モニタ、サーバー、さらには従来の機器をIoT対応製品に入れ替えるなど、モノとネットワークをつなぐために必要な部品や設備などがここに含まれます。IoT化について考える際、最もイメージのしやすいコストでもあります。

開発コスト

続いて必要になるのが、開発コストです。IoT化にあたっては、それを動かすためのシステムも併せて導入しなければいけません。例えばクラウドシステムやアプリケーション、ダッシュボード、ハードウェアの開発にもコストがかかります。

運用コスト

IoTの予算について考える際には、IoT導入後のコストについてもあらかじめ考えておく必要があります。システムの維持費やソフトウェアアップデートの費用、通信費など、導入後に継続的に必要になる予算も少なくありません。導入後に慌てることがないよう、運用コストについても事前に確認しておきましょう。

IoT導入の考え方

IoT導入とコストについて考える際に、まずは小さい範囲のIoT化でできることと、大きな範囲のIoT化が必要なことをあらかじめ分けておくといいでしょう。IoTを導入するためには、まず解決したい課題や目的、課題解決までの仮説を立てておく必要があります。その上で、投入できる予算の規模に応じて、小さい範囲のIoT化でできることからはじめるか、いっきに大きな範囲でIoT化するかを判断しましょう。

小さな範囲のIoT化からできること

小さな範囲のIoT化からできることとしては、限られた機械や設備を遠隔監視することが挙げられます。また一部の機器の故障や稼働状況の可視化、特定の部品の在庫管理なども小さな範囲から実施できます。

工場や事業所全体をIoT化で変えるというよりは、小さな困りごとをIoTを活用して解決すると考えるといいでしょう。

大きな範囲をIoT化しないとできないこと

一方で、工場や事業所全体をIoTでカバーしなければいけないような課題では、大きな範囲のIoT化が必要になります。例えば、生産ラインのボトルネックを解消するためにライン全体のモノの動きを可視化したり、倉庫全体の在庫管理を行ったりするような場合には、IoTに接続する機器の数も、必要なシステムも大きくなり、従って多くの予算が必要になります。

今ある課題を解決したい場合、どうしても大きな範囲をIoT化しなければ解決できない場合もあるでしょう。そのようなときには、効率よくデータを取得する方法を考えたり、効率のいい運用方法を考えたりしながら導入するといいでしょう。

IoT運用予算について考える際の注意点

お金の管理

IoT導入における費用は、まずは導入に際してのコストが必要です。しかし導入だけでなく、運用していくにも予算が必要です。運用にかかるコストについて考える際の注意点には、次のようなものがあります。

規模や範囲

IoTの導入にあたっては、大きな規模や範囲に対して導入するほうが、より多くの予算がかかります。運用にあたっても同様に、範囲が大きくなればなるほど多くの予算を必要とします。そのため、いきなり最初から全てをIoT化してしまうと、運用の予算が予想以上に膨れ上がってしまう恐れもあります。そのため、最初は必要最低限にターゲットを絞って導入するのがいいでしょう。

セキュリティ対策

IoTではモノがネットワークにつながります。つまり、ネットワークを介して外部から攻撃をかけられるリスクや、情報漏洩のリスクもあるということです。そのため、セキュリティに関しても十分な対策が必要です。運用コストを削ろうとしすぎてセキュリティが甘くなってしまうと、思わぬ事故につながる危険があります。

設備の更新

IoTに使用する機器やシステムが、運用中に古くなってしまうことは避けられません。導入した機器が製造中止になったり、ソフトウェア(タブレット端末のOSなど)のアップデートが提供されなくなったり、新しいシステムに接続できなくなったりします。また、これまでにもバーコードだけでなくQRコードが出てきたように、今後、新しい入力方法が出てきて、現在の入力方法が使いにくくなってしまうこともあるかもしれません。そうなると、せっかく導入したIoTが使いにくくなり、形骸化する原因になります。最悪の場合には、ただ工数を増やすだけの仕組みになってしまいかねません。

生きたシステムとして活用するためには、時代の流れや新製品の動向に合わせ、随時更新することが必要です。

まとめ

IoT化の予算は、工場や事業所の規模、IoT化する範囲、取得するデータの量によって大きく変動します。そのため、一概に具体的な金額を述べることはできません。

総務省の調査によると、国内の企業においては前年売り上げの5%未満をIoT化のための予算としているところが多いようですが、IoT化のための予算額は年々増加する傾向にあります。

IoTの導入時にはIoT機器そのもののコストに加え、開発コストや運用コストがかかります。また導入後にはセキュリティ対策や設備の更新などのコストも必要です。導入にあたっても、運用にあたっても、大きな範囲でIoT化を行えば、それだけ多くのコストがかかります。そのため最初は小さな範囲のIoT化からはじめてみるといいでしょう。

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